きつねの僕とお散歩
A LITTLE WALK THROUGH THE SEASONS

きつねの僕と
お散歩

きつねです。
道ばたの花、パンの香り、海から吹く風。
散歩の途中で見つけた景色を、
絵と短い言葉で綴っています。

散歩に出かける ↓
木漏れ日の差す川辺で、切り株を机に日記を書くきつね
01 — 季節を選んで

四季の散歩道

まず季節を選び、お話の題名や絵をタップしてください。

02 — Web限定

僕の宝物

大切にしているものを、ひとつずつ。
今日は、何が出てくるでしょう。

窓辺のひなた窓から入るひなたに座るきつねと、日陰に置いたお茶
僕の宝物 · 01

窓辺のひなた

きつねです。

窓のそばに、しっぽまで入るひなたがあります。

朝は椅子の脚のあたり。
お昼には、床の真ん中へ。

僕も少しずつ、場所を変えます。
さっき置いたお茶だけが、日陰に残っていました。

もうひと口飲んだら、出かけます。

ふたつのどんぐりふたつのどんぐり
僕の宝物 · 02

きつねです。

拾ったどんぐりを、ふたつ。
紐でつないで、かばんにつけていました。

今は棚の上に置いています。
紐の結び目だけ、どうしてもほどけません。

いつもの木のカップいつもの木のカップ
僕の宝物 · 03

きつねです。

散歩に持っていく、木のカップです。
持ち手のところが、ずいぶんなめらかになりました。

お茶を入れて、切り株に腰をおろしたことがあります。
少し斜めで、飲み終わるまで片足を踏んばっていました。

このカップを持つと、ときどきあの座りにくさを思い出します。

本にはさんだ羽本にはさんだ羽
僕の宝物 · 04

きつねです。

本をひらいたら、前に拾った羽が出てきました。

どこで拾ったのだったかな。
読みかけだったページも、すっかり忘れていました。

花を包んでいた紙使い込まれた机に置かれた、新聞紙に包まれた白と濃い桃色のカラー
僕の宝物 · 05

きつねです。

いただいたカラーは、新聞紙に包まれていました。白い花の奥に紫がのぞいて、濃い桃色の花も混じっていました。

帰って包みをほどくと、花を抱えていたところだけ、紙が丸くくぼんでいます。

花を水に挿してから、その紙を畳みました。
折り目に、小さな葉が一枚残っていました。

いつものかばん木のベンチに置かれた緑のかばんと、色のついた肩紐
僕の宝物 · 06

きつねです。

かばんの底から、古い切符が出てきました。
角が丸くなって、日付はもう読めません。

どこへ行ったときのものだったかな。
裏返して、それから、また内ポケットに入れました。

古い地図青い布の上に広げた、折り目の残る古い地図
僕の宝物 · 07

きつねです。

何度も畳んだところだけ、道が薄くなっています。

指でその先をたどると、まだ行ったことのない町。
今日は地図を広げたまま、お茶をいれます。

針が落ち着くまで川辺の石に置いた、ふたの開いた真鍮の方位磁針
僕の宝物 · 08

きつねです。

ふたを開けると、針が少し揺れます。
僕も立ち止まって、落ち着くのを待ちます。

北を確かめてから、川沿いの道へ。
今日は、そちらを歩きたい気分です。

いつもの曲青い椅子に置かれた、使い慣れた緑と生成りのヘッドホン
僕の宝物 · 09

きつねです。

この曲が始まると、坂の途中にあった白い塀を思い出します。

何度か聴きながら歩いた道です。
どのあたりでサビになったかまで、なんとなく覚えています。

今日は椅子に座ったまま。
足先だけ、少し動いています。

もらったひと言少し開いた青緑の木の門と、向こうに続く小道
僕の宝物 · 10

きつねです。

帰り際に「またね」と言われました。
僕も「またね」と返しました。

次に会う日は決めていません。
あの門を通るとき、また顔をのぞかせてみようと思っています。

04 — 小さな作品集
窓辺で手帖を開くきつね。ZINEの公開紹介イラスト
noteの公開紹介イラスト
電子ZINE

まだ行っていない日のこと

栗の匂いのする坂道、落ち葉の先の本屋、灯りのある港。
十月から二月へ。これから訪ねてみたい場所を思い描いた、全24ページの絵日記です。

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